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仕事を知る
プロジェクト 02

顧客向け業務効率化ソリューション

お客様の発注業務を
よりスムーズに。
チーム力を結集し、
進化を実現

2023年4月、本社営業統括部内に発足したソリューション営業グループ。営業所だけでは対応が難しいお客様の経営課題の解消や、営業現場の業務効率化を後押しする専門部署として設置された。営業や開発、企画事務など各部署から5名がメンバーとして集結。それぞれのスキルを活かし、スピード感を重視しながら様々な取り組みを展開している。ここではその一つとして、チーム力を発揮して大幅改修を成し遂げた「LINE発注システム」プロジェクトを紹介する。

Member
ソリューション営業グループ

T.T.
シニアマネージャー
2012年入社

R.D.
マネージャー
2006年入社

M.S.
リーダー
2013年入社

M.T.
サブリーダー
2019年入社

N.C.
2023年入社

「まず、カタチにする」
最低限の機能からスタート
「LINE発注システム」はグループメンバーの一員であるM.S.が、それまで所属していた部署で開発を担当したものだ。このシステムが生まれる前、桐井製作所では各営業所の営業事務職が電話やFAXでお客様からの注文を受け付けていた。当社側にも聞き取りや入力をミスするといったリスクはあったが、何よりお客様にとって、施工現場で電話をかけたものの話し中でつながらない、営業時間外は注文できない、などの不便さがあった。
こうした、お客様の手間や不便を軽減するために導入されたのがこのシステムである。特にニーズが高いと予想される中小企業のお客様はITツールを使い慣れていないことも多いため、普及率が高く多数の方が生活の中で使い慣れているLINEを活用することにした、と開発の経緯をM.S.は語る。
彼女は営業事務職出身で受発注業務に精通しているものの、システムやITに詳しいわけではない。むしろほぼ知識がない状態で手探りの開発だった、と苦笑する。「受発注業務のルールが営業所ごとに異なっていたためそれを統一して最適化する、といった対応は行いましたが、デジタルに不慣れなお客様にもご活用いただけるよう可能な限りシンプルな設計で進めていきました。“多くのお客様はこういうシステムを利用しないだろう”という営業職の方の意見も根強かったですね」
当時、東京第一営業所所属でまさに営業の最前線にいたR.D.も、そうした声を寄せた一人であった。「構想自体は素晴らしいと思いましたが、LINEに入力したり注文内容の画像をアップして注文を送り、当社からの手配完了のメッセージを受け取るという、本当にシンプルな機能だった。通常の受発注業務では変更や追加が多々発生するのですが、それに対応できなかったのです。M.S.さんとは同じ拠点で仕事をしていたので、よく意見を言いましたね」
「まず、カタチにする」こと最優先で開発が進められたこのシステムは、ソリューション営業グループ始動から約1カ月後のプレリリースを経て、同年9月に本格的にローンチされた。

各自の持ち味を
発揮しながら
改修作業を推進
無事ローンチにこぎつけたものの、ほどなく改修することをM.S.は念頭に置いていた。お客様、そして社内の受発注業務に携わる営業事務職や営業職の業務をさらに効率化するために。M.S.を筆頭に、ソリューション営業グループ、そして各支店から参加しているプロジェクトメンバーは改修に向けて動き出した。
まず支店のプロジェクトメンバーが中心となって全営業所にヒアリングを実施。営業事務職と営業職の社員に、現状のシステムに対する感想や、改善・追加して欲しい機能などを聞き取っていった。
自身の感想だけでなくお客様に意見を伺ってフィードバックしてくれた営業所もあり、とてもありがたかった、とM.S.。実際に受発注業務を担当している社員たちからは「ミスも少なくなり自分たちにとっても業務効率化に役立っている、ぜひ使い勝手を向上させて欲しい」という声も寄せられ、力づけられたそうだ。
こうして集めた意見を整理し、改修で追加する機能を、特に要望の多かった「注文の変更受付」と「チャット」に定めた。お客様のLINEアカウントに注文の履歴を残し、そこから製品や数量、納期などの変更が行えるようにするとともに、チャット機能の搭載で受発注担当社員とのやり取りを可能にし、さらにきめ細かに対応していく。
シニアマネージャーのT.T.は社内人脈を駆使してデジタル担当部署のアドバイスを受け、プロジェクト推進に役立てるなどのサポートを行った。企画事務職出身のM.T.や、入社後すぐにグループに配属されたN.C.は、顧客に配布するリーフレットやマニュアルの制作を担当。それぞれが持ち味を発揮して、システムの進化を後押しした。
そして、ローンチから約1年後の2024年9月、改修されたシステムが稼働。反響は想像以上だった、とM.S.は笑みを浮かべる。「“外出先や施工現場など、いつどこからでも注文ができて、発注業務をスムーズにできるようになった”“改修により使い勝手が向上して便利になった”とお客様から喜ばれている、という声が各地の営業所から届いています」

お客様にとって真の
パートナーとなるために
改修効果は数字にも如実に現れている。改修前のLINE発注システム利用率は、社内全注文数のうち約5%。それが改修により2024年末で約9%と、倍近く伸びた。数字にするとそれほどには思えないかもしれないが、具体的な注文数に換算すると年間約48,000件となり、そのインパクトは大きい、とR.D.は語る。
改修を終え、より使いやすくなったLINE発注システム。営業所ごとで見るとお客様の利用率にバラつきがあるため、当面はそれを解消するとともに全社的にさらなる利用率アップを図っていきたい、とM.S.は言う。「今振り返ると、もっと効率よくプロジェクトを進められたのではないか、初回ローンチの段階でもっと機能を盛り込めたのではないか、と反省もあります。このシステムの開発に際して営業職とその先のお客様から、多くの要望が寄せられました。それにお応えする新たなシステムやサービスを、今度はこのグループでカタチにしていきたいです」
進化したLINE発注システムは、お客様の業務効率向上を支援し、建設業界で問題となっている人手不足の解消にも貢献する可能性を秘めている、とT.T.は語る。「“ソリューション営業”というグループの名称にもマッチしており、当社の営業職にとってもお客様に提案しやすいツールとなっています」
グループの存在は社内でも浸透しつつあり、現在は展示会の企画運営などの営業所支援、ITツールによる財務診断やDX課題解決などの顧客支援、営業戦略策定に役立つデータ集計システムなど全社向けの仕組みづくりといった幅広い活動を展開。今後はメンバー間のスキルやナレッジの共有を図り業務の属人化を解消しながら、スピード感重視はそのままに、さらにアグレッシブに活動していきたい、とT.T.は言う。
営業支援の究極の目的はお客様への貢献。営業所や営業職に親しみを持っていただき桐井製作所がお客様にとって真のパートナーとなるよう、チーム力を駆使して様々な取り組みを展開していく。それがT.T.の、そしてグループメンバーたちの展望である。

私の挑戦

T.T.
挑戦自体がこのグループの仕事(笑)。これからも、0を1にする業務にどんどん取り組んでいき、営業職の方々が営業力を高めるための武器を提供していきたいと考えています。
R.D.
このグループに配属されて全営業所の動きを数字で見る機会が増えたため、データサイエンティスト検定に挑戦。数字を読み取る力を磨き、売上げ向上のために的確な手を打てるスキルを身につけたいです。
M.S.
これまでまったく経験のなかったシステム開発を担当したことこそが挑戦。ヒアリングで全営業所に接したことで、受発注業務ばかりでなく営業所や支店、会社のことまで考える視野の広さも獲得できたと思います。
M.T.
ここは、これまで経験したことのない仕事が次々とやってくるところ。初めのうちはとまどいもありましたが、それを解消し、前向きに取り組む姿勢を持つよう日々心がけるのが私にとっての挑戦です。
N.C.
企画事務職を希望して入社。研修後、すぐこのグループに配属され、現在はデータ集計などを担当しています。全国の営業所とコンタクトできる部署なので、営業職の方と積極的にコミュニケーションし、営業面の知識も習得したいです。